予防接種のご案内
狂犬病ワクチンについて
生後91日以上のワンちゃんは、1年に1回、狂犬病ワクチンの接種が法律で決められています。
愛知の接種率は約60%と比較的高く、飼い主のモラルが高いといえますが、悪質な事例では罰せられることもあります。
狂犬病ワクチン接種は、ご近所トラブルの予防にもつながります。必ず接種しましょう。
ワンちゃんの混合ワクチンについて
ワンちゃんの混合ワクチンは、「6種混合」と「8種混合」の2種類があります。
接種は自主的なものですが、ワンちゃんを伝染病から守り、健やかな暮らしを助けるものなので、積極的に接種されることを推奨しています。
<混合ワクチンで予防できる伝染病>
・犬のジステンパー(5種・8種)
高熱や鼻水、下痢などが症状で、神経系が侵されます。麻痺などの後遺症が出る場合が多く、死亡率の高い怖い病気です。
・犬パルボウイルス感染症(5種・8種)
主な症状としては、下痢や強い嘔吐、食欲不振、突然の衰弱などです。脱水症状が進み、短時間で死に至る場合もある伝染性の非常に強い感染症です。
・犬伝染性肝炎(5種・8種)
主な症状としては、腹痛や嘔吐、下痢、発熱などが表れます。生後1年未満の子犬が感染してしまうと、死に至ってしまうことがあります。
・犬アデノウイルス2型感染症(5種・8種)
発熱や食欲不振、くしゃみ、咳などが症状です。他のウイルスとの混合感染により症状が重くなり、死亡率が高くなる呼吸器病です。
・犬パラインフルエンザウイルス感染症(5種・8種)
風邪の症状が見られ、混合感染や二次感染が起こると重症になり死亡することも。伝染性が非常に強い病気です。
・犬コロナウイルス感染症(8種のみ)
子犬の場合は、嘔吐と重度な水溶性の下痢を引き起こします。
・犬レプトラスピラ感染症(8種のみ)
人間にも感染する可能性のある伝染病で、「イクテロヘモラジー型」は、発熱や黄疸、食欲不振や嘔吐、下痢、歯肉からの出血などの症状がよく見られます。また特徴として、血液の中の赤血球が壊され、黄疸、赤色の尿として表れます。死に至る可能性は非常に高い病気です。
「カニコーラ型」は、1~2日の発熱や食欲不振、激しい嘔吐と吐血、血混じりの下痢が見られます。尿毒症になって数日以内に死に至ってしまうケースがあります。
犬レプトラスピラ感染症は野ネズミの尿から感染するがほとんどなので、山や川で遊ぶ機会の多いワンちゃんは注意するとともに、接種するようにしましょう。
接種の期間
接種は3回打つのが一般的で、1回目は生後45日、75日、105日が一般的です。その後、毎年1回接種します。
ペットショップから購入したワンちゃんは、ほぼ100%の割合で1年目は接種されています。しかし2年目以降になると、接種率が低くなります。毎年欠かさない接種を推奨します。
ネコちゃんの混合ワクチンについて
当院では、「3種混合ワクチン」を一般的に推奨しています。一般的な伝染病対策ならこれでほぼ十分と考えていますからです。もちろん、より広い病気に効果のある「5種混合ワクチン」の接種にも対応しています。
<混合ワクチンで予防できる伝染病>
・猫ウイルス性鼻気管炎(3種・5種)
ヘルペスウイルスによる感染症のことで、くしゃみや咳、鼻炎などの呼吸器の症状が表れるほか、結膜炎を引き起こすこともあります。
・猫カリシウイルス感染症(3種・5種)
くしゃみや鼻水など、初期は猫ウイルス性鼻気管炎の症状とほとんど同じです。症状が進むと舌や口の周辺に潰瘍ができることがあり、急性肺炎で死亡する事例もあります。
・猫汎白血球減少症(3種・5種)
パルボウイルスが病原体の病気で、白血球が極端に少なくなります。高熱や嘔吐、食欲不振が起こり、下痢による脱水症状が起こります。子猫は1日で死亡することもあります。
・猫のクラジミア病(5種のみ)
クラミドフィラ フェリスによる感染症です。菌は目や鼻から侵入し、結膜炎や鼻水、くしゃみなどを誘発する他、肺炎を起こす場合もあります。人に感染して結膜炎になる危険性もあります。
・猫白血病ウイルス感染症(5種のみ)
感染してから発病までの期間が長く、その間は健康に見えます。しかし持続感染すると80%が3年以内に死亡します。白血病やリンパ腫などの血液のガン、貧血、流産などを引き起こす他、抵抗力が弱まるため、さまざまな病気を併発します。また排泄を通して、ウイルスを他の猫にもうつします。
猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症は、発症率が20%と、高い発症率があります。病気になってから治療を行うより、事前にワクチン接種をした方が、経済的な負担も減少します。
ネコちゃんのワクチン接種率は、わずか10%ほどしかありません。ネコちゃんの健やかな暮らしを希望されるなら、ワクチン接種を強くお勧めします。